RPNでゲームを作ろう(その3)

前回(1月29日)からの続きです。

今回は具体的に、0〜9の、整数の乱数を発生させてみましょう。まだプログラムにはせず、通常の計算モードで試してみましょう。

ここで、これから使う命令の入力の方法を簡単に説明します。その命令がHP 35sのキーに白で書いてあれば、そのキーを押すだけで入力できます。一方、キーの手前に、水色で書いてある場合は、「水色の右向き矢印」キーを押してから入力します。また、命令がキーの上側に、黄色で書いてある場合は、「黄色の左向き矢印」キーを押してから入力します。また、キーを押すことにより、画面にメニューが表示される場合があります。その時は、メニューの番号に対応する数字キーを押すか、上下左右キーでカーソルを合わせて、ENTERを押せば、その命令が入力されます。

で、乱数発生ですが、35sは乱数発生器(RANDOM)を持っていますので、それを使います。このRANDOMは、種々のプログラム言語で一般的な、0〜1の実数型の乱数を発生するものです。この命令をキーで入力する場合は、水色の「RAND」を使います。このように、キーに表示されている形と、プログラムリストに表示される形は、しばしば違っています。以下では、命令は、プログラムリストに表示される形式で書きます。

さて、早速 RANDOM を試してみましょう。その前に、CLEAR(水色)を押して、出てきたメニューから5 STKを押して、スタックをクリアしておきましょう。(スタックは後日、回を改めて説明したいと思います。)それから「RAND」キーを押すと、

入力 → 出力(例)
RANDOM → 0.4138

などといった具合に、乱数値が出てきます。しかしここで欲しいのは0〜9の整数なので、これを10倍して、整数化しましょう。手順は以下のようになります。

入力 → 出力(例)
RANDOM → 0.3138
10× → 3.1381
INTG(押すとメニューが出てくるので4 INTGを選ぶ) → 3

これで整数が得られました。上記の操作を繰り返せば、今回欲しいかたちの乱数をたくさん作れます。

今回はここまでにしましょう。
次回はこれをプログラムにしてみたいと思います。


乱数に詳しい方向けの補足:

RANDOMで発生させる疑似乱数の種を、SEEDで設定することができます。例えば、種として5を設定するには、

5 SEED

と操作します。なお、説明書によれば、初期状態では、種は0になっていて、この時は、35sが、適当に種を生成するようです。